現場ごとに異なっていた記者のモバイル PC を整備することになり、まずは、PC
のリモート管理に着手した。PC
の調子が悪いと電話でいくら説明されても埒があかない。そこでリモートでの対応を実現したかった。リモート管理には、自宅での利用なども考慮し、器材を使わず、かつ扱いが簡単なものを検討していた。
PacketiX については、前身のソフトウェアである SoftEther
の頃から個人的にいろいろと試して、便利なソフト、使い易いソフトとの認識があったそうだ。SoftEther
は無償のソフトウェアであり、個人レベルで便利に使えればいいと考えていたが、会社での使用となると、正式な採用は難しかった。こうした中、PacketiX
の商用版がリリースされ、導入の話が一気に進んだという。
関岡氏は以前、大手の VPN アプライアンスを使って VPN
ネットワークシステムを試した経験があるという。「これがなかなか上手くいかなかった。インターネットは繋がるけれど、会社には繋がらない。ほとんどの原因は、ルータの設定や
VPN
のポートが閉じられていたことのようですが、この時は壁を実感しました。」と関岡氏は言う。
PacketiX
を選択したのは、まさにこの問題が解決できるという点だった。「とりあえずインターネットにアクセスできれば社内
LAN に繋がる、というのが判断基準になって、分かり易いというのがありました。」
PacketiX の導入はスムースに行われ、当初の目的であった外部の PC
の管理が可能となった。
改善されたモバイル環境

PacketiX構築例 |
管理するのが楽だから、という動機で導入された PacketiX
だったが、それだけではもったいないという声が上がり、外部で PC
を使うユーザ側の利便性の向上に着手した。
具体的には、社外からインターネットに繋げば、会社と同じ環境になるシステムを目指した。
記者用モバイル PC
には、ウィルス対策ソフト、パーソナルファイアウォールの他に、指紋認証、ファイル暗号化、VPN(PacketiX)の新機能が追加された。以前から行われていた指紋認証機能は、PC
と利用者が 1 対 1 で紐付けされた従来の形から、PacketiX
導入後には、指紋認証サーバを新設し、PC
を利用する際には会社まで指紋認証に来て、ログイン後に初めて PC
を使えるといったシステムに改善された。
また、インターネットの利用には、全て VPN
で本社プロキシサーバを経由する形が取られている。これは社内と同じ環境ということになる。PacketiX
を利用することでセキュリティ対策と利便性を兼ね備えたシステムとなった。
新しくなったシステムを利用した記者は、「放送された自分の取材内容が確認出来るので便利になった」と言う。特に海外の支局では日本のテレビ番組が放送されないため、取材や原稿がどのように報道されたのか帰国するまで分からなかった。しかし今では、PacketiX
を使ってイントラネットにアクセスすれば、数時間後にはエンコードされたニュース内容をチェックできるようになった。

よみうりテレビ本社(大阪)
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セキュリティ対策について
PacketiX
導入により利便性は向上した。しかし、便利になる反面、モバイル
PC
紛失時の対応などセキュリティに対しての対策を考えなければいけない。よみうりテレビ報道局では、ソフトウェア、ハードウェア、人的対応と個別に分けて取り組んでいるという。
「PacketiX
というソフトウェア自体に技術的な心配は全く感じませんでした。」
と関岡氏は語る。暗号に SSL
を利用し、用途に合わせて適切な暗号化強度を選択できる
PacketiX の安全性に対して氏の信頼は高い。
ハードウェアには指紋認証機能やファイル暗号化機能をつけているので、PC
を利用する記者以外は重要な情報へのアクセスは不可能であるため、こちらも心配はない。ただ、難しいのは、PC
を使う人的マターについての取り組みだと言う。
モバイル PC
を利用する記者は指紋登録が必要になった。指紋の採取後、訓示してパソコンを手渡しているという。記者と一対一で顔をつき合わせて取り組むことにより、セキュリティに対する意識を高めているそうだ。
よみうりテレビ報道局における、PacketiX を利用した
VPN
の構築とセキュリティに対する取り組みは、支店・支社などの拠点間
VPN
構築や、外回りの多い営業セクションでの活用、また、これから
VPN の導入を考えている企業にとって、非常に有益な事例となる。